ガンでリンパ浮腫になってしまったおじちゃんの硬い脚。

私の体験談

2022年4月、母から連絡が入りました。

「ア―〇〇(50年以上前から呼ばれていたあだ名)がガンになっているらしくて、千葉のガン研行ったりしたけど、手術は出来ないらしく薬も効かないから、自宅療養しているみたいなのよ」と。

その日は金曜日でした。

その日から頭から離れなくなってしまって、心配な気持ちが溜まる一方、二日後の日曜日、また母から連絡が入り、心配になって顔見に行ってきたとのことでした。在宅医療で、腹水が溜まり脚もパンパンに浮腫んでいたと聞きました。

脚の浮腫みって相当辛いし、歩く時も痛いだろうなと、心配な気持ちが更に大きくなり、今度の休みには足のマッサージをしに行こうと心に決めていました。

二日後の火曜日午前9時半過ぎ頃、10年位ぶりに会いに行きました。年齢も78歳、随分年をとった感はありましたが昔のままの優しいアー〇〇の顔を見た瞬間、心配でいっぱいだった感情が溢れてしまい、涙が出てきてしまいました。沢山の思い出話をおばちゃんと三人で語り合い、病気の話や治療の話など、沢山話してくれました。

帰る時に、実は今日、マッサージをしてあげたくて来たのだと伝えると、二人共ビックリ、と同時に快く受け入れてくれてズボンを脱いでくれました。私が赤ん坊の頃からいつも近くにいたおじちゃんで、可愛がってもらいました。学校から帰ってきて、今思えば新婚だというのに、夕飯時にしょっちゅうお邪魔し、夕飯をよくご馳走になっていたし、宿題の挿絵を描いてもらったり、他人なのに親戚以上に良くしてもらいました。そんな思い出が次々と思い出され、脚の浮腫みをとってあげたい、少しでも体を楽にしてあげたい、恩返しがしたい、この気持ちを伝えなかったら絶対後悔するなって自分で解ったので、マッサージをしに毎週通いました。

ある日、おばちゃんが、

「〇〇よちゃん(お嫁さん)がリンパマッサージの本を買ってきてくれたから先生に相談したら、マッサージはしたらダメだと言われて、だから私達も怖くて触れないのよ・・」

と言うのです。でもパンパンに浮腫み、コチコチに硬くなって、触ると冷たくて、そして土踏まずも消え血色の悪い紫色、まるで太い木みたいな脚、血流が悪いのが一目でわかるのに、マッサージがダメって、その理由は何なのか医者に聞きたいなと思いました。

どうせ対症療法の利尿剤を飲ませるだけなのに、そう思ってしまいました。

マッサージを受た日、とても気持ちが良かったと喜んでくれたそうで、トイレの回数も増えたようですと、その日の晩にお嫁さんからお礼のメールが来ました。

あ~本当に行って良かった~とウルウルしました。

その日をきっかけに、

お嫁さんは、義父の脚を毎晩マッサージしたんだそう。その甲斐あって

硬かった大腿部の裏や土踏まずが、少しずつ柔らかくなっていきました。

更に驚いた話を聞きました。

マッサージ生活を訪問看護師に伝えたら、

「いいことですねえ~」

と言ったんだそう。

あれ?医者はダメって言ったのに?

看護師さんは、患者さんの声を日頃から聴き、向き合ってくださってるんだろうなと思いました。

マッサージに行った日の夕方、私は自分のマッサージの予約を入れていたのですが、担当の彼に、

ガンで闘病中のおじちゃんの脚を、マッサージしに行ってきたんだと伝えたら、

「めちゃめちゃいいじゃないですかー、昔ばあちゃんが浮腫になった時、自分と兄貴で交代でマッサージしてましたよ~」

って返事が返ってきたので、やっぱりマッサージするのは正解なんだな!

看護師さんと整体のプロが仰るのだから間違いなかったんだと、正直不安な気持ちもあったのですが、その不安は消え去り、来週も行ってあげようという気持ちに変化していきました。

一回目は、軽めなタッチでリンパを意識したマッサージを行いましたが、やっぱり動脈マッサージをしてあげたくて、二回目では動脈マッサージを8割、2割はリンパマッサージ、

三回目では、動脈マッサージ9割、1割リンパマッサージにしました。基本軽め軽めに。

リンパマッサージは、冷たーくなった脚を温めることはできませんでしたが、動脈マッサージは指先まで温かくなってくれました。私はリンパマッサージではなく血の流れを良くしてあげれば、リンパ液は流れていくんだと確信しました。お嫁さんにも理論と、リンパマッサージより動脈マッサージの必要性を伝えたら、とても理解してくださり、彼女が毎晩動脈を意識したマッサージを頑張ってくれました。その甲斐あって、日に日に脚の浮腫みがとれて行ってくれたと話してくれました。

おじちゃんやおばちゃんには勿論、彼女にもとても感謝して頂きました。

体がとても大きくて、手先が器用で物作りが大好き、いつも優しい人でした。

沢山のお薬を飲んで、体力も落ち、でも生きる気力だけは持ち続けてくれていましたが、治療の甲斐なく、でも大好きな自宅で眠るようにして亡くなったのよとおばちゃんが話してくれました。

会いに行って本当~に良かったです。

お嫁さんもマッサージしてあげれたことが何より良かったと仰ってくださり、改めて、冷え症の方は勿論、浮腫で辛い思いをされている方にも、動脈マッサージの素晴らしさを改めて伝えていきたいなと思っております。